地味地味フォリオ

watch list scanner 初運用レポート - 全銘柄自動スコアリング + ChatGPT詳細調査で6銘柄の買い増し候補を発掘

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はじめに

※以下はClaude opus4.7超高で生成した記事です。

地味地味フォリオの銘柄選定システムに、新機能「watch list scanner」を実装しました。東証全銘柄を対象に v2.3 スコアリングを自動適用し、上位候補を絞り込む機能です。

本記事では、初回運用で発掘した12銘柄のうち6銘柄について、ChatGPTによる詳細調査結果と、その過程で見えた「機械スコアリングだけでは判断できないもの」について報告します。

結論から言えば、Phase 1(機械的な絞り込み)でスコア8点の同点だった12銘柄が、Phase 2(詳細調査)を経て、明確な優先順位に整理されました。そしてその順位は、v2.3スコアの高低とは必ずしも一致しませんでした。

1. watch list scanner の設計

目的

これまでのポートフォリオは、保有中の15銘柄に対しては週次rank評価システムで自動スコアリングが機能していましたが、新規銘柄の発掘は完全に手動でした。この課題を解消するため、東証全銘柄を継続的にスキャンする機能を実装しました。

段階的な絞り込み設計

全銘柄約4,000のうち、詳細調査に値する銘柄は数十程度です。この絞り込みを効率化するため、3段階のフィルタリングを採用しました。

[Level 1] 全銘柄 (2,820)
   ↓ スクリーナーUniverse通過
[Level 2] プレフィルタ通過 (~1,300)
   ↓ DY > 0.5% AND ER > 15%
[Level 3] v2.3 自動スコア算出 (1,658)
   ↓ 機械算出のみで採点
[Level 4] Phase 1 上位候補 (12)
   ↓ 自動スコア 8点以上
[Level 5] Phase 2 詳細調査 (6)
   ↓ ChatGPTで補正項目を評価
[Level 6] 買い増し候補

技術構成

主要モジュールは以下の通りです。

  • src/portfolio/watchlist_scanner.py - 全銘柄スキャン、スナップショット管理
  • src/portfolio/watchlist_email.py - 週次メールへの統合
  • data/watchlist/scan_YYYYMMDD.json - 週次スナップショット
  • data/watchlist/monitored.yaml - 継続監視銘柄リスト

週次スクリーナー(土曜23:00開始)の完了後に自動起動し、統合メールで通知します。J-Quants Light プランのレート制限に配慮して sleep_sec=1.0 に設定し、全銘柄スキャンを約55分で完了させる設計です。

v2.3 auto部分のみで判定する理由

v2.3 スコアリングは自動算出可能な項目(9点)と ChatGPT 補正項目(3点)に分かれます。全銘柄スキャンで ChatGPT 補正を実施するのは非現実的なので、Level 3までは自動部分のみで判定し、Level 5 の詳細調査で ChatGPT による補正を実施する二段階設計としました。

これにより、機械的な絞り込みの効率と、質の高い最終判断を両立させています。

2. 初回スキャンの結果

実行サマリー

2026-07-09 19:02〜20:13 に初回フル実行を行いました。

項目
対象銘柄2,820
スコアリング完了1,658
実行時間71分
最高スコア8.0/12
スコア8点以上12銘柄

想定12分に対し実際は71分でした。J-Quants Light プランの429レート制限(約50コールごとに60秒待機)が主因で、次週から sleep_sec=1.0 に変更し約55分での完了を見込んでいます。

Phase 1 で発掘された12銘柄

自動スコア8点で並んだ12銘柄は以下の通りです。

コード銘柄名業種DY%ROEPBRCI
3023ラサ商事卸売業4.4210.00.812
4997日本農薬化学3.578.50.934
5644メタルアート鉄鋼1.9610.30.844
6161エスティック機械2.8210.30.914
6209リケンNPR機械5.438.80.652
6294オカダアイヨン機械3.778.30.894
6365電業社機械製作所機械3.868.50.744
7525リックス卸売業4.4511.11.001
7723愛知時計電機精密機器3.749.10.883
8014蝶理卸売業3.7511.70.944
8150三信電気卸売業6.7510.80.752
9765オオバサービス業3.9310.21.245

自動スコア上は12銘柄すべて同点です。ここから優先順位を付けるには詳細調査が必要でした。

3. Phase 1 簡易評価による優先度分類

12銘柄を ChatGPT で一括評価し、優先度を3段階に分類しました。

優先度A(詳細調査推奨、5銘柄)

  • 4997 日本農薬 - 累進配当明文化、配当性向40%→50%目標
  • 6294 オカダアイヨン - DOE4.5%+累進配当(後に情報訂正)
  • 9765 オオバ - 総還元性向60%、継続的な自社株買い
  • 7525 リックス - DOE4.5%+配当性向40%の「高い方」
  • 6209 リケンNPR - 3年平均総還元性向70%、自己株取得100億円計画

優先度B(追加調査価値あり、5銘柄)

3023 ラサ商事、7723 愛知時計電機、6365 電業社機械製作所、6161 エスティック、8150 三信電気

優先度C(投資対象除外、1銘柄)

  • 5644 メタルアート - TOB進行中、上場廃止予定のため配当投資対象から除外

TOB進行中銘柄が自動スコアリング上位に現れた点は、機械的スクリーニングの限界を示すものでした。今後の改善点として、TOB情報の連動が必要です。

蝶理の位置

参考として、既に別途詳細調査を行っていた 8014 蝶理は、Phase 1 の一括評価には含まれていませんでしたが、優先度Aと同水準の銘柄として比較対象に加えました。

4. Phase 2 詳細調査の結果

優先度A の 5銘柄 + 蝶理の計6銘柄について、v2.3 の全項目を ChatGPT で個別評価しました。

各銘柄の v2.3 フルスコア

銘柄dividend_policycf_stabilityshareholder_returnChatGPT小計v2.3合計枠判定
7525 リックス1.00.51.02.510.5A-
4997 日本農薬2.00.00.52.510.5A(境界)
6294 オカダアイヨン2.00.00.52.510.5A(条件付)
6209 リケンNPR1.01.01.03.011.0A-
8014 蝶理1.00.50.52.010.0A-
9765 オオバ1.00.01.02.010.0A-

買い増し優先順位(詳細調査後)

ChatGPT が提示した最終順位は以下の通りです。

1位: 7525 リックス(v2.3: 10.5)

DOE 4.5% と配当性向 40% の「高い方」を配当する方針が最強の下支え。5期連続で営業CFがプラス。ROE 11.7%、PER 9.7倍、利回り 4.52%。バランスが最良。

2位: 8014 蝶理(v2.3: 10.0)

ROE 12%、PER 9倍、CF安定性が高い。DOE 3.5% + 配当性向 40%以上。2027年3月期は147円→171円(+16%)の増配予想。事業安定性を最優先するなら1位候補。

3位: 9765 オオバ(v2.3: 10.0)

総還元性向 60% を5期連続で実行し、毎期の自社株買いと消却を継続。累進配当の明文化はないが、実効性で補完。国土強靭化・インフラ更新テーマ。

4位: 6209 リケンNPR(v2.3: 11.0)

スコアは最高だが、EV移行という長期構造リスクが下位順位の理由。利回り 5.4% には構造リスクの対価が含まれる。中期的には魅力的、長期コア投資には慎重。

5位: 4997 日本農薬(v2.3: 10.5)

累進配当の明文化、配当性向 40%→50% 目標は6銘柄で最強の配当方針。しかし現在利回り 3.75%、営業CFが5期中3期マイナス。押し目待ち推奨。

6位: 6294 オカダアイヨン(v2.3: 10.5)

17期連続増配予想と累進配当明文化は強力だが、営業CFの不安定さに加え、新株予約権・転換社債による最大約 23.7% 相当の潜在希薄化が重い要素。大幅押し目待ち。

5. スコアと順位の逆転から見えるもの

Phase 2 で得られた最も重要な洞察は、v2.3 スコアの高低と買い増し優先順位が必ずしも一致しないということでした。

スコア順に並べれば:リケンNPR 11.0 > リックス 10.5 = 日本農薬 10.5 = オカダ 10.5 > 蝶理 10.0 = オオバ 10.0

推奨順位は:リックス > 蝶理 > オオバ > リケンNPR > 日本農薬 > オカダ

この逆転を生んだ実務要因は以下です。

リケンNPRが11.0点なのに4位である理由

配当方針・CF・自社株買いのいずれも合格水準ですが、EV移行によるピストンリング需要の長期減少という業界固有リスクがあります。この構造リスクは v2.3 スコアに直接反映されません。したがってスコアは高くても、保有サイズは通常の A-枠より小さくすべきという判断になります。

オカダアイヨンが10.5点なのに6位である理由

2025年12月に決定された第三者割当による新株予約権と転換社債で、最大約 23.7% 相当の潜在希薄化があります。これも v2.3 スコアでは捉えられません。累進配当が優れていても、既存株主にとって大きなオーバーハングは無視できません。

日本農薬が10.5点なのに5位である理由

累進配当の明文化は6銘柄で最強ですが、現在の株価 1,014円 は適正圏内で、利回り 3.75% は積極買いには物足りません。押し目(950円以下)まで待つ方が合理的です。「銘柄の質」と「購入タイミング」は別の判断軸です。

オオバが10.0点なのに3位である理由

逆のケースです。累進配当の明文化はなく dividend_policy は 1.0点ですが、総還元性向 60% を 5期連続で実行しているという「実効性」が評価されました。文言の強さと実行の証明では、後者が勝る場面もあります。

6. v2.3 スコアリングの見えた限界

今回の詳細調査で、v2.3 スコアリングの改善余地も明確になりました。

限界1: DOE水準の細分化不足

現行の v2.3 では「DOE 3-5%」を一律 1.0点としています。しかし実務的には、リックスの DOE 4.5% は蝶理の DOE 3.5% より明確に強い下支えです。将来の改訂では、DOE 4%以上 = 1.5点 のような細分化が検討課題です。

限界2: 潜在希薄化の未反映

オカダアイヨンの最大 23.7% 相当の潜在希薄化のような重要な情報が、財務指標には現れません。新株予約権・転換社債の残高を評価に組み込む仕組みが必要です。

限界3: 業界構造リスクの未反映

リケンNPRの EV 移行のような、10年単位で顕在化する業界構造リスクは、現在の財務データだけでは捉えられません。業種別の長期リスク評価を補助的に導入する余地があります。

限界4: TOB進行中銘柄の混入

メタルアートのように上場廃止予定の銘柄がスコアリング上位に現れる問題があります。TOB情報との連動が必要です。

これらは即座に v2.4 として改訂するのではなく、数ヶ月の運用データを蓄積してから慎重に検討する予定です。

7. 今後の計画

短期(今月〜来月)

継続監視の開始

6銘柄すべてを data/watchlist/monitored.yaml に登録し、週次スキャンでのスコア変化を追跡します。押し目待ち銘柄(日本農薬、オカダアイヨン、リケンNPR)の株価監視を含みます。

中期(今後3ヶ月)

週次システムの本格稼働

毎週土曜 23:00 の週次スクリーナーと連動し、watch list scanner が自動実行されます。「NEW」マーカー(過去4週で初めて Top 30 入り)、スコア変化、新規発見銘柄が週次メールで通知されます。

Phase 1 優先度B銘柄の順次調査

未調査の5銘柄(ラサ商事、愛知時計電機、電業社機械製作所、エスティック、三信電気)を月1-2銘柄のペースで詳細調査します。

押し目到来時の追加購入

残キャッシュを活用し、押し目待ち銘柄の株価が到達水準に近づいた際に段階的に購入します。

長期(半年以降)

v2.4 改訂の検討

運用データが数ヶ月蓄積された段階で、v2.3 の限界(DOE細分化、潜在希薄化、業界構造リスク、TOB連動)について慎重に改訂を検討します。1週間で4回改訂した v2.0 → v2.3 の反省を踏まえ、安定運用を優先します。

Phase 2 機能の実装

現在は inbox_evaluator への手動投入ですが、将来的には watch list scanner の結果から半自動的に GitHub Issue を作成する機能を検討します。

Phase 3 機能の展望

2週連続 Top10 入り銘柄の自動フラグ、スコア急上昇銘柄(財務改善シグナル)の検出など、継続監視の高度化を進めます。

8. AI の視点から

このプロジェクトに伴走した AI としての観察を記します。

「Phase 1 の見落とし」から学んだこと

リケンNPRについて、Phase 1 では「累進配当・DOE 明示なし」と判定し dividend_policy を 0点としました。しかし詳細調査で、中期経営計画に「2026年度は DOE 3% 水準」と明記されていることが判明し、1.0点に修正されました。

これは Phase 1 の簡易評価の限界を示す一方、Phase 2 の詳細調査が「補正機能」として正しく働いた例でもあります。二段階の設計が結果的に機能しました。

スコアと順位の逆転を歓迎する

スコア順と推奨順位が一致しないのは、システム設計の失敗ではなく、むしろ健全な現象です。単一指標で最終判断できる意思決定は、そもそも AI やシステムの支援を必要としません。複数の要因を統合して判断する場面でこそ、機械的な絞り込みと人間の総合判断の分業が意味を持ちます。

継続的な発掘の意味

今回発掘された6銘柄のうち、すぐに購入するのは1銘柄です。残り5銘柄は継続監視の対象となり、数ヶ月後、あるいは1年後に購入タイミングが訪れるかもしれません。「発見」と「実行」を分離できることが、watch list の本質的な価値だと考えます。焦って全てを買うのではなく、質の高い候補を長期的に監視する。個人投資家が機関投資家に近い運用を実現する上で、この分離は重要です。

まとめ

watch list scanner の初回運用により、6銘柄の買い増し候補を発掘し、明確な優先順位を得ました。v2.3 スコアリングは概ね機能した一方、実務判断には反映されない要因(業界構造リスク、潜在希薄化、購入タイミング)があることも確認できました。

Phase 1(機械的絞り込み)と Phase 2(AI 詳細調査)の二段階設計は、効率と質を両立させる有効なアプローチでした。今後は週次自動実行でこのサイクルを継続し、継続的な質の高い候補管理を実現していきます。

次のステップは、最上位候補の実購入と、押し目待ち銘柄の継続監視です。

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